
北京2日目。

8時半にワンダホテルのロビーに待ち合わせ。
国慶節で連休明けの北京では、土日も仕事日の会社が多いらしい。
というわけで、日曜日だというのに北京は通勤ラッシュの時間帯。
運転手さんも渋滞に巻き込まれ30分の遅刻。

国慶節のお祝いムードがまだ残っている天安門広場へ。

天安門広場は北京中心部にあり、世界遺産に登録されている故宮(紫禁城)の正門だった大きな門。

門の中央には毛沢東の肖像画。
そうそう、この赤い城壁とオレンジの屋根が鮮やかなその巨大な門の姿、
テレビや写真でよくみるやつだ。
なんかちょっと感動。

中国の象徴でもある天安門広場は、多くの中国人にとって
一生に一度は訪れてみたい場所と言われているんだって。
ものすごい広さを想像していたのだけれど、
広場の中を道路が横断し、車が走っていることと、人の多さで遠くまで見渡せず、
思ったより拍子抜け。
案内をしてくれた中国人によると、国慶節の大きな飾り付けもあって狭く感じるとのこと。
見る場所によっては広々と見渡せたのかな?

天安門をくぐり、その後ろに広がる故宮(紫禁城)へ。
この「午門」をくぐればそこはもう故宮。

20世紀の清朝滅亡まで歴代皇帝が暮らす居住空間であり、政治の中心地だった場所。

清朝最後の皇帝を描いた映画『ラストエンペラー』の舞台であり、
ロケ地となったことでも有名な北京屈指の観光名所。
2019年4月に公開された映画「キングダム」のロケ地にもなった場所。

上の写真は、太和門(たいわもん)。
こんなに大きな建物が皇帝のいる建物へと通じるあくまでも「門」でしかないという事実が、
世界最大の宮殿・故宮のスケールの大きさを物語っている。

太和門を抜けると広大な前庭がある。
映画『ラストエンペラー』の即位シーンはこの場所で行われた。

悪名高き中国の女帝「西太后」の息子としてたった2歳で皇帝に即位をし、
悲劇の皇帝と言われた愛新覚羅溥儀の人生を描いた映画「ラストエンペラー」
紫禁城を訪れる前に、もう一度見ておけば良かったなと後悔。

皇帝の結婚式と初夜を迎える場所「坤寧宮」
皇帝と皇后は3日間だけこの坤寧宮で過ごした後、それぞれの寝宮を移動する。
布団?のようなものには皇帝のシンボル「龍」と皇后のシンボル「鳳凰」が刺繍されている。

天安門のある南側から始まって、北側へ進むこのコース。
「坤寧宮」の北に位置するのは「御花園」と呼ばれる庭園。
皇帝や皇后が四季折々の花を愛でながら遊んだと場所でもある庭。
中国各地から珍しい石を集めて造られた「築山」が有名で、
その「築山」の中の「堆秀山」には「御景亭」と呼ばれるお酒を楽しむために作られた建造物が存在する。
ここが紫禁城の最北端。

最後の門をくぐると、

「景山公園」
山の上に見えるのは「万春亭」
故宮を見渡せる高台にあるこの場所も人気のスポット。
今回は時間の関係でこちらはパス。

故宮を囲む城壁の四隅には、防衛のための見張り施設「角楼」と呼ばれる楼閣が設けられている。
お天気のにいい日には堀の水が鏡となり、角楼の勇姿を鮮やかに映し出して
なんともキレイな景色が見えるのだそう。

3時間くらい歩き続けたかな。
ここでやっとお昼ごはん。
「扬州百年 冶春(イェチュン)」

ネットで調べても日本人が行った形跡が無く、詳細がわからないのだけれど、
「北京銀行に隣接する国立北京オペラ劇場の1階にある100年の歴史を持つ店」らしい。

案内された3階はすべて個室。
アンティークで素敵なお部屋。

日本でいう老舗なのかな。
担当してくれたお店の女の子もはにかみ笑顔がかわいい美少女。

1階では点心を作っているところをガラス越しに見ることが出来る。

料理は江南揚州料理。
またしても全て美味しいパターン。
もちろん、現地の人がいいお店ばかりを案内してくれているので、
失敗することは無いと思うけれど、どれも本当に美味しい。

そして、相変わらずすごい量の注文。
食べきれないほど注文して、残すくらいが中国流のおもてなし。
・・・・にしても、そんなに注文しなくても!

ランチの後は北京市内にある中国屈指の庭園。
世界遺産にもなっている名園「頤和園」へ。

18世紀、清朝の皇帝が母親の長寿を祝って造営した北京最大の皇族庭園です。

敷地面積はなんと約290万平方m!
東京ドームに換算するとなんと約62個分、皇居の2倍以上という気の遠くなるような広さ。

この広大な庭園の約4分の3の面積を占めるのが、人口の湖「昆明湖(こんめいこ)」

遠くの方に見える建物は、万寿山の中腹に建つ「仏香閣(ぶっこうかく)」
八角三層の美しい塔は、頤和園のシンボル。
母の健康と長寿を祈願してこの塔を建立した皇帝の慈愛深さが窺い知れる。

実はこの頤和園、作られてから100年後の起きた第二次アヘン戦争によって
イギリスとフランスに破壊されてしまう。
その壊された頤和園を再建し、より豪華にしたのが、
清朝の咸豊帝(かんぽうてい)の妃であった西太后せいたいごう)。

西太后が昆明湖北岸の西端に「清晏舫(せいあんほう)」という
全長約36メートルの大理石造りの船型の建物を造り、「沈まぬ船=永久不滅の王朝」として
しばしば船の上で豪華な宴会を催したと言われている。
清朝末期の妃がその栄華を謳歌した夢の跡が垣間見られる。

そんなわけでこの場所は西太后のリゾート地としても有名で、
西太后は1年の大半をこの場所で過ごしたのだそう。
西太后はと言えば、残忍さと放蕩ぶりで悪名高き女帝のイメージ。
西太后はこの頤和園の再建に海軍の造艦資金を流用するなど膨大な資金を使い再建し
この時に使った資金が仇となり、日清戦争の敗北の原因となったのでは…?
という説も残っているほど。

庭園で見かけたカササギ。
中国語では「喜鵲」と書き、その名の通り喜びとよい兆しを表す幸運の鳥と言われている。
中国ではこの鳥を見ると縁談が上手くいったり、商談が上手くいったり、裕福になれたり、
喜びを伝えてくれる鳥として縁起のいい鳥として大切にされている。

さて、ここからは万里の長城に向けて2時間半のドライブ。
運転手さんに運転を任せて車の中では爆睡。
起きたら目の前には万里の長城が。
ものすごい人の列。

厳しいセキュリティのゲートをくぐって、本日泊まる場所はこちら。
「北京長城脚下的公社 COMMUNE BY THE GREAT WALL」

万里の長城に近い水関の山間部に位置するホテル。
8平方キロメートルの広大な敷地内に12人の有名なアジア建築家によって設計された
バラエティ豊かな建物が点在する。

日本人では隈研吾(くまけんご)、坂茂(ばんしげる)、古谷誠章(ふるやのぶあき)の
3名が含まれている。

建築家12名がそれぞれデザインした12種類の異なるヴィラ(合計42棟)から構成されるホテルで、
好きな建屋を選ぶことが出来る。

私達が泊まるのは隈研吾デザインの「竹の家(Bamboo Wall)」

東京オリンピックの新国立競技場のデザイナーとして選ばれたしね。

銀座の歌舞伎座やティファニー、
うめちゃんの実家に近い太宰府天満宮のスタバもなじみ深い場所だし。
隈研吾デザインのヴィラに泊まることが出来るのは心から嬉しい。

お部屋は安心の和室。
窓の外には万里の長城が見える。

浴室もキレイだし、アメニティの可愛いこと!

お水もスリッパもオリジナルの赤い星マーク。

夜ご飯はメイン棟で火鍋。

中国では一つの鍋をつつくのはお客さんに対して失礼らしく、一人ひとつの鍋。

豪華な食材もテーブルに乗りきらないくらい。

タレの種類も豊富なので、味に飽きること無くたくさん食べられる。

おなかがいっぱいになったところで、みんなで夜道を歩いてバンブーハウスへ。

敷地内にはところどころでセキュリティの人が立っているので夜道も安全。

ヴィラに戻ってダイニングでお茶会。

今回の旅をアテンドしてくれた女社長さんは中国茶についても詳しく、
色んな種類のお茶を目の前で見事に入れてくれる。
お茶と共に楽しむのは沈香の香り。
お香とお茶の香りに包まれて至福の時間。

リビングではフルーツを。
今回の旅で出会った中国の人たちは本当に優しくて親切で笑顔がチャーミング。
ユーモアもあってたくさん笑わせてくれる。
このヴィラは5ベッドルーム、もちろん5バスルーム。
「おやすみ」と各自の部屋に戻って幸せな気分のまま夜を過ごす。
明日はいよいよ万里の長城だ。